自動車事故 過失割合 保険

交通誘導員に責任はあるのか



 

道路工事現場の警備員の合図を誤信した運転者が、交差点で事故を起こしました。警備員の過失の有無と、運転者と警備員の過失割合が問題となりました。(東京地裁平成11年1月27日判決)

 

 

普通乗用車と自動二輪車の出会い頭事故

 

日時  平成5年7月10日

 

被害運転者  A  自動二輪車(A車)

 

加害運転者  B  普通乗用自動車(B車)

 

共同加害者  C  警備員(交通誘導員)

事故概要

 

普通乗用自動車の運転者Bは、交差点付近で交通整理をしていた警備員Cの動作を見て、進入可の合図がされているものと思い、対面信号が赤だったにもかかわらす交差点に進入し、交差道路左方から進行してきた自動二輪車A車と衝突した。

 

結果

 

自動二輪車の運転者Aは脳挫傷などの傷害を負った。この事故で、Bが加入していだ保険により、Aに対し約3,550万円の賠償金が支払われました。

 

支払をした保険会社は、不適切な合図を出したCにも5割の責任があるとして、Cの使用者である警備会社に、その負担分として賠償額の5割と弁護士費用の合計約1,950万円の支払を求めました。

 

これに対して警備会社は、今回の事故は、Cが他の警備員に行った合図を、Bが自分に対する進めの合図であったと誤信したことによって生じたものであり、Cには責任がないと主張しました。

 

運転者の過失

 

警備員には、信号を無視して交通整理をする権限はありません。そのため、仮に警備員の合図が進めであったとしても、赤信号で進行することはできません。

 

この点で、赤信号でも警備員の指示に従って進んでもよいと考えたBには誤りがあったといえます。したがって、運転者Bに責任があることは間違いありません。

 

また、本件事故の直前、A車に先行してAの友人が運転する自動二輪車が、交差点を通過しました。にもかかわらず、Bは何ら制動措置を講じず、左方道路にほとんど注意を払わないまま交差点に進入し、衝突の直前までA車に気がつきませんでした。このことからもBの過失は大きいといえます。

 

警備員の過失@

 

では、警備員には責任がないのでしょうか。まず、警備員Cの合図が人に誤解を起こさせるようなものだったのかが問題になります。

 

Cは、普通乗用車Bが進行していた道路の中央付近で、体をBに向け、顔は左を向き、右肩を前に出した半身の姿勢で、右手に持った赤色灯を腰付近で何回か回転させました。

 

Cとしては、B車の後方にいた同僚の警備員に対して、車両1台を通過させてよい、という趣旨で行ったものでした。ちなみに、進行可の合図はどのようなものであったかというと、進行方向に向けて赤色灯を振るというものでした。たしかに、こちらのほうが進行可の合図としては適切だと考えられます。そして進行方向に向けて振るのと、腰付近で回転させるのとでは、明らかに違う合図といえるでしょう。

 

さらにBは、工事中の区間に入る前に、他の警備員による進行可の合図を見ていました。したがって、Cの動作が進行可の合図とは違うものだということに気づくべきだったでしょう。

 

しかし、一般の運転者は、警備員の行う合図に関して、正確な知識があるわけではありません。赤色灯を腰付近で回転させるという動作は、進行可の合図ではないことが明らかとは言い切れないでしょう。この点について判決は、「合図の方法に不案内な一般人には進行可と誤信させるような態様のものであった」と認定しました。

 

警備員の過失A

 

更に問題だったのは、警備員CがB車の動向について、無関心だったことです。Cは同僚に車1I台進行させてよいという合図を送ったのですから、その車両が交差点の手前で止まることを確認すべきでした。おそらくCは、B車が当然赤信号で止まるものと思ったのでしょうが、交差点で交通整理をする以上、止まるべき車が止まるのを確認すべきでした。

 

また、Cは自分の左方にだけ注意を払っていました。たしかに、左方道路は幅員7 mの歩車道の区別がある道路であるのに対し、右方道路は幅員4.5mの歩車道の区別がない道路でした。広いほうにより注意を払うのは当然ともいえます。

 

しかし、事故の直前に右方から自動二輪車が1台通過して行ったのですから、そちらのほうにも注意を払うべきでした。以上のことから、警備員Cにも過失が認められました。

 

結論

 

判決は、B、C両者の過失内容を比較し、普通乗用車運転者Bの過失を6割、警備員Cの過失を4割としました。そこで、被害者Aに賠償金全額を支払った保険会社は、共同不法行為者への求償として、その4割を警備会社に請求できることになりました。

 

保険会社の弁護士費用の一部を含め、約1,560万円の請求が認められました。
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